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Dec 2021

説得力。

戦国時代に越後の虎と呼ばれた上杉謙信を配した上杉家は、
100万石の大大名として名を馳せた。

しかし、関ヶ原の合戦で敗れた西軍に与していたため、
上杉家は存亡の危機に立たされた。
お家取り潰しを避ける為、徳川家康に釈明する機会を得たが、
釈明次第では、使者は首を切られる。

使者に抜擢されたのは、上杉家の末席の武将であった。
彼は生まれつきの吃音症で、人前で上手く話ができない。

案の定、家康の前でも声が出ない。
「このような者を送ってくるとは失礼千万!
上杉家は取り潰しましょう」と徳川家臣団は激怒した。

すると、上杉の武将は羽織っていた裃を脱ぎ捨て、
上半身裸になり、鬼の如く大声で「うわーっ!!」と叫んだ。

家臣の一人が刀を抜き、その首をはねようとした瞬間、
家康は次のように述べた。

「待て!この者の体に刻まれた刀傷を見よ!
これほどの傷を負ってまで、
お家を守ろうとする家臣がこの徳川におろうか。
このような素晴らしい家臣を持つ上杉は存続に値する」


説得力と説明力は似て非なり。


株式会社GA INC
代表取締役社長 CEO 永 原 清 一

ながはら