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Nov 2025

FAZIOLI

先月のショパンコンクール本選。
※世界3大ピアノコンクールの一つ、開催は5年に1度、
出場資格30歳までという若手ピアニストの登竜門


優勝したエリック・ルー氏、
前回覇者ブルース・リュウ氏の選んだピアノは、
いずれもイタリア製のFAZIOLI(ファツィオリ)だった。

私は2015年、縁あってサチーレの本社工場を訪れた。
当時は世界的に無名で、
ショパンコンクールの公式採用も2010年と遅かったが、
オーナーのパオロ・ファツィオリ氏は静かに語った。

『ヤマハは優れた “工業製品” をつくる。
しかし、私たちは “楽器” をつくる。
近い将来、私たちは世界一の
スタインウェイ&サンズを超えてみせる。』


ちなみに、年間生産台数は、
ヤマハ2万台、スタインウェイ2千台に対し、
FAZIOLIは、わずか200台。

非効率を恐れず、全工程を手作業で貫く姿勢は
一見時代遅れに見える。
しかし、その徹底した “哲学” こそがブランドを育て、
ついに、2大会連続で世界王者の栄冠を勝ち取った。

今、世界中から注文が殺到しているが、
彼らは量産に走らない。
『数年待てないなら、どうぞ他へ』
この揺るぎない姿勢に、焦りも妥協もない。

効率や規模拡大は重要だ。
しかし、それだけを追えば本質を失う。
FAZIOLIの在り方には、
日本の中小企業が生き残るための大きな示唆がある。

ロマンとソロバン、その両立こそが未来をつくる。


株式会社GA INC
代表取締役社長 CEO 永 原 清 一

ながはら